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 スポーツ選手が取り入れる体操で関節の可動域などを改善してもらおうと、農業をしながら女子サッカーのプロリーグ参入を目指す十日町市の「FC越後妻有」が、市民向けの体操教室を始めた。試合を応援してくれる地元への恩返しで、選手と監督が直接指導にあたっている。



 FC越後妻有は北信越女子サッカーリーグ2部に所属している。昨季途中からフィジカル面の向上に力を入れ、スポーツ科学の専門企業の講習を受講。学んだ体操は練習の前に必ず行っている。

 ホームゲームは十日町市の当間多目的グラウンド「クロアチアピッチ」で開催される。昨季は6チーム中3位で惜しくも1部昇格を逃したが、地元サポーターたちは特製の横断幕や鉢巻きで熱い応援を送った。体操教室は選手たちが発案した企画で、森希紗(きさ)選手(24)は「恩返しがしたくて、みんなで考えた。地元の健康増進になったらいい」と話す。

 初回の1月31日、練習拠点の旧奴奈川小学校には、地元住民ら6人が参加した。小林舞選手(32)が手本となり、「前」と言葉を発し、逆方向の後ろに飛ぶといった動きや、筋肉を伸ばして肩や股関節の可動域を広げるストレッチを教えた。体の動きがスムーズになり、ゆがみもなくなって、運動機能が向上するという。

 複数の選手が手厚く指導するのも魅力の一つだ。住民が慣れない運動に戸惑っていると、大矢千尋選手(23)と渡邊彩海(あやか)選手(24)が駆け寄り、補助をしたり、真横で手本になったりした。

 また正しい動きを理解してもらうため、森選手はストレッチをする参加者を撮影。「手本の小林選手と見比べてください」と言葉を掛け、その場で画像を見せていた。

 筋肉を伸ばすことで、関節の痛みが和らぐ場合もあるという。腰痛改善を願って参加した室野の佐藤達夫さん(74)は「気分爽快で、続ければ腰痛も治りそう。選手が直接教えてくれて、チームに親近感も沸いてくる」と笑顔だった。

 2021年度の体操教室は3月10日までの月、木曜の午後2~3時。月曜は旧奴奈川小、木曜は段十ろうなど。1回500円。問い合わせはFC越後妻有、025(761)7749。

写真=FC越後妻有の選手からストレッチを習う参加者(十日町市室野)


                          (2022/02/04 新潟日報掲載)


















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