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にいがた健活講座「夏バテを解消する食と生活」

新潟日報カルチャースクールメディアシップ教室管理栄養士/公認スポーツ栄養士 

石墨清美江さん

 

 いしずみ・きみえ 1963年上越市出身。大和学園京都栄養士専門学校卒。病院勤務を経て新潟市の乳幼児健診や料理教室などに従事。その後、県健康づくり・スポーツ医科学センター管理栄養士などを経て、21年から新潟日報カルチャースクール料理講座企画運営担当。



 


 いきいき健やかに暮らすためのヒントを探る「にいがた健活講座」が8月28日、新潟日報メディアシップ(新潟市中央区)で開かれました。新潟日報カルチャースクールで料理講座を担当する管理栄養士の石墨清美江さんが、夏バテ対策や日頃の食生活を見直すポイントなどを語りました。



 「夏バテ」は夏に起こる体の不調の総称です。主な原因は発汗などによる脱水症状や食欲不振による栄養不足、暑さと冷えの繰り返しから起きる自律神経の乱れです。食欲低下、不眠、頭痛、めまいなどの症状が出ます。対策として、エアコンを上手に使い、1日1・2㍑を目安にこまめに水分を補給しましょう。

 人の体は食べた物から作られます。体の組織は常に入れ替わっていて、皮膚は約30日、筋肉は鍛え方や部位によりますが、半月から3カ月ほどで入れ替わります。常に変わっていく体の組織を作るために栄養を入れることが、食事の大事な役割です。

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ほぼ1日座っていることが多い、身体活動量が「低い」50~64歳女性の摂取量は1日約1600㌔㌍。量で見ると、炭水化物の供給源「主食」は、しっかり盛ったご飯(1杯150㌘)3杯とじゃがいも(中)1個くらい。タンパク質の供給源「主菜」は、豚もも肉60㌘、卵1個、サケ60㌘、木綿豆腐100㌘。ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源「副菜」は、野菜がたっぷり必要です。カルシウムの供給源「牛乳・乳製品」は牛乳瓶1本分200㍉㍑。ビタミンC、カリウムの供給源「果物」は、みかん約2個になります。

 夏バテを防ぐ、乗り切る食事のポイントは「主食・副菜・主菜」をそろえたバランスの良い食事を取ること。特に、ビタミンBの摂取が重要。水溶性で体内にためておけませんが、エネルギー作りなどの調整に欠かせません。肉や魚、卵などに含まれています。

朝日を浴び、糖質とタンパク質のそろった朝食を食べると、体内時計がリセットされます。身体の代謝が活性化されるので朝食を抜くのはもったいないです。



 食事量の目安には農林水産省と厚生労働省が出している「食事バランスガイド」を参考にするのもいいでしょう。主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物などについて1日に何をどれだけ食べたらいいか、料理のイラストで表していて分かりやすいです。

 とはいえ、食事バランスを考えて3食作るのは結構大変です。特に忙しい朝の食事作りのコツは、夕食作りの際、みそ汁を多めに作って翌朝のおかずに回すなど一緒に朝食準備をすることや、納豆や鮭フレークといった市販食品を上手に活用すること。1食を完璧にすることは無理なので、1週間ほどのスパンでバランスが取れるようにしましょう。



 献立も一工夫。おにぎりは、具材次第で主食と主菜が一気に取れるし、副菜は、すぐに食べられるパック入りのひじきと大豆に、魚肉ソーセージ、キュウリを合わせてサラダにしてもいい。小分けの豆腐やミニトマトなどを常備しておくと、ちょっと栄養が足りない時に便利です。ほどほどの量とバランスで、無理なくコツコツ食べることが長い目で見てお得です。

暑さ対策ももうひと頑張り。元気にしっかりと食べて、楽しい毎日にしたいですね。


実践講座「栄養チェック」


 実践講座では、身長、体重、年齢から自分のBMI(肥満を表す指数)や適正体重、1日に必要なエネルギー量を計算。それを食事バランスガイドに当てはめ、食事量を確認しました。参加者たちは、当日の食事内容などを書き出し、多かったものや足りなかったものをチェックし、食生活などの見直しに役立てていました。


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