にいがた健活講座「健康寿命延伸のための栄養・食生活」

新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科

村山伸子教授

 

 むらやま・のぶこ 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。米コーネル大学客員研究員、新潟医療福祉大学教授などを歴任。専門は、公衆栄養学、国際栄養学。厚生労働省厚生科学審議会専門委員(健康日本21(第二次)推進専門委員会委員)、県食育推進委員会委員、新潟市食育推進委員会委員長などを務める。




 

食塩控え高血圧予防
野菜、果物欠かさずに

 いつまでも健やかに暮らすためのヒントを探る「にいがた健活講座」が10月30日、新潟日報メディアシップ(新潟市中央区)で開かれました。新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科の村山伸子教授が講演し、減塩やバランスのいい食事の大切さを語りました。

 

 新潟県は男女とも脳血管疾患(脳卒中)の死亡率が高いです。脳血管疾患は生活習慣病の一つで介護が必要となる大きな要因。健康で長生きするためには、本県では特に脳血管疾患を防ぐことが重要です。

 そのために大事なのは高血圧の予防です。新潟では50歳以上になると半数以上が高血圧か、血圧が高めに。「ナトリウム(食塩)」と「肥満」が強く関連しています。野菜や果物に含まれる「カリウム」は血圧を下げる効果があるので、野菜や果物を取り、食塩を控えることが血圧には良いです。果物は血糖値の関係から食べ過ぎに注意しましょう。

 新潟は食塩摂取量が全国の中でも高いです。食塩摂取量が多いと血中ナトリウム濃度が高くなり、それを薄めるために血液が増え、血圧が上昇。この状態が長く続くと血管が傷ついたり、詰まったりします。


 ラーメン好き県民

 食べ過ぎにも注意

 食塩は生きるためには必要です。ただ、生存に必要な食塩量は1・5㌘。日本人の食事摂取基準(2020年版)の目標量の上限は女性約6・5㌘、男性約7・5㌘です。これに対し、新潟は9・9㌘で目標量より多く、男女とも8割以上が取り過ぎています。

 食塩の摂取源は、家庭での食事と外食などによるものです。家計調査によると、新潟市はカップ麺や塩サケ、たらこ、みそ、食塩などの高塩分食品の購入量が上位。フライや中華そばの購入額も高いです。

 県民の食べ方を17市町村と共に調べたら、「満腹になるまで食べる」「ラーメンとチャーハンのように主食を重ねて食べる」「丼、カレー、麺類が週3回以上」のほか、「煮物が1日4品以上」「濃い味付けが好き」「毎日飲酒する」などの特徴が分かりました。特に、食べ過ぎないこと、ラーメン(麺類)の汁を飲み干さないことが減塩のポイントです。

 減塩はちょっとした工夫でもできます。例えば、みそ汁は汁の量(食塩量)を減らすために野菜をいっぱい入れるのがお勧め。カリウムも取れて一挙両得です。

 見逃しがちなのが加工食品の塩。例えば、食パンは6枚切り1枚に0・8㌘入っています。食べ方に気を付けましょう。





 バランス良い食事

 免疫力の高まりも

 生活習慣病予防には栄養バランスも重要。1食の中に主食・主菜・副菜の三つをそろえることで、食品や栄養素の面でもバランスの良い食事になります。主食はご飯やパン、麺類などの穀物が主材料の料理。栄養面ではエネルギーをはじめ、各種栄養素を提供します。主菜は肉、魚、卵、大豆・大豆製品などを主材料とする料理でタンパク質や脂肪を提供。副菜は野菜やイモ、海藻、キノコなどが主材料の料理で、ビタミンやミネラル、食物繊維などの不足しがちな栄養素の供給源です。プラスで牛乳・乳製品、果物を1日1回取るとベストです。

 1日3食のバランスの良い食事は免疫力も高めます。主食のご飯の適度な糖質が腸内の善玉菌を増やし、主菜のタンパク質が免疫細胞を作ります。副菜の野菜から取れるビタミンA、C、Eは免疫力を高める抗酸化作用があります。

 併せて腸内の善玉菌を増やしましょう。みそや納豆などの善玉菌を含む発酵食品、野菜や果物などに含まれるオリゴ糖、キノコや海藻などに含まれる水溶性食物繊維の摂取が効果的です。

 体温を上げることも有効で、ショウガなどの体を温める食材を食べたり、筋肉量を増やしたりしましょう。

 減塩などで高血圧を予防し、長く生き生きと過ごしましょう。